「椅子に座るとすぐに骨盤が後ろに倒れてしまう」
「骨盤を立てようとしても長く続かない」
「気づくと背中が丸くなっている」
このようなお悩みは、年齢や筋力不足だけが原因とは限りません。
実は、骨盤が後傾してしまう方には、股関節の動き・背骨の柔軟性・体幹の使い方など、身体全体の使い方が関係していることがあります。
「姿勢を良くしよう」と骨盤を無理に立てても、すぐに疲れて元に戻ってしまうことも。
今回は、座ると骨盤が後傾してしまう理由と、骨盤と背骨の関係、そして身体の使い方を見直すポイントを、ピラティストレーナーの視点からお伝えします。
1.なぜ座ると骨盤が後傾してしまうのか
1-1.骨盤後傾とはどんな状態?
骨盤が後傾している状態とは、骨盤が後ろに倒れ、坐骨ではなく仙骨側に体重がかかりやすくなっている状態です。
この姿勢になると、骨盤の上にある背骨も影響を受け、自然なカーブを保ちにくくなります。
一見リラックスしているように感じますが、長時間同じ姿勢が続くと、身体の一部に負担が集中し、腰や背中、首・肩などに疲れを感じることもあります。
大切なのは、「骨盤を立てた姿勢をずっとキープすること」ではありません。
身体を固めるのではなく、骨盤や背骨が必要に応じて動けることが大切です。
1-2.座り姿勢で起こりやすい問題
デスクワークやスマートフォンを見る時間が長い現代では、長時間同じ姿勢で座り続けることが増えています。
その結果、股関節や背骨を動かす機会が少なくなり、身体にとって楽な「いつもの座り方」に偏りやすくなります。
骨盤を立てようとしてもすぐに疲れてしまう場合、単純に「姿勢を意識できていない」のではなく、その姿勢を作るために必要な身体の動きが十分に使えていない可能性があります。
2.骨盤が立たないと背骨はどうなる?
2-1.背骨が丸くなる仕組み
骨盤は、背骨を支える土台のひとつです。
骨盤が後ろへ傾くと、その上にある腰椎や胸椎にも影響し、背中が丸くなりやすくなります。
背骨は本来、身体の動きに合わせてしなやかに動くもの。
そのため、「丸い姿勢=悪い姿勢」と決めつけるのではなく、丸まることも伸びることもできる身体をつくることが大切です。
問題になるのは、丸まった姿勢そのものよりも、同じ姿勢から動きにくくなってしまうことです。
2-2.肩こり・腰の負担につながることも
背中が丸くなった状態が長く続くと、頭が身体より前に出やすくなります。
すると、首や肩まわりの筋肉が頭を支えるために働き続けることになり、疲労を感じやすくなります。
また、腰まわりにも同じ場所へ負担がかかり続けるため、腰の違和感につながることもあります。
だからこそ、骨盤だけを見るのではなく、背骨・股関節・胸郭などを含めて身体全体を見ることが重要です。
3.骨盤後傾の本当の原因
3-1.「筋力不足」だけが原因ではない
「腹筋が弱いから」
「筋力が足りないから」
と思われることもありますが、それだけが原因とは限りません。
筋肉は、ただ強ければいいわけではなく、必要なタイミングで必要な筋肉を使えることが大切です。
身体を固めて姿勢を維持するのではなく、呼吸をしながら、骨盤や背骨を支える筋肉が自然に働ける状態をつくっていきます。
3-2.股関節と体幹の使い方も大切
骨盤を起こして座るためには、股関節が動きやすく、体幹が安定していることも重要です。
実際のレッスンで身体を見ていると、
「骨盤を立てよう」と頑張るあまり、腰を反らせて姿勢を作っている方も少なくありません。
これでは、見た目は姿勢が良くなったように見えても、腰や背中に余計な力が入ってしまうことがあります。
大切なのは、骨盤だけを無理に起こすことではありません。
股関節が動けること。
背骨がしなやかに動けること。
呼吸ができること。
そして、その位置を体幹で支えられること。
これらが一緒に働くことで、頑張りすぎなくても身体を支えやすくなります。
Pilates Studio KIZUKIでは、「正しい姿勢の形」に身体を無理に当てはめるのではなく、その方がなぜその座り方になっているのかを身体の動きから確認することを大切にしています。
4.ピラティスで骨盤と背骨を整える理由
4-1.骨盤を支えるインナーマッスルの働き
ピラティスでは、腹横筋や多裂筋など、姿勢や身体の安定に関わる筋肉を意識しながら身体を動かしていきます。
ただし、「お腹にずっと力を入れて固める」ということではありません。
呼吸と動きを合わせながら、必要なときに必要な筋肉が働くことを目指します。
骨盤・背骨・股関節が連動して動けるようになることで、日常生活でも身体を支えやすくなっていきます。
4-2.「正しい姿勢」ではなく、動ける身体へ
ピラティスの良さは、正しい姿勢を頭で覚えるだけではなく、実際に身体を動かしながら感覚を身につけていけるところです。
骨盤を前後に動かしたり、背骨を一つひとつ動かしたり、呼吸に合わせて身体を動かしたり。
そうすることで、
「ここまで力を入れなくても座れるんだ」
「いつも腰で頑張っていたんだ」
など、自分自身の身体の使い方に“気づく”ことができます。
KIZUKIが大切にしているのも、この「自分の身体への気づき」です。
5.今日からできる骨盤後傾改善習慣
5-1.座り方を見直してみる
まずは、次のポイントを意識してみましょう。
- 坐骨で身体を支えやすい位置を探す
- 「骨盤を立てなきゃ」と力みすぎない
- 背中を必要以上に反らさない
- 呼吸を止めない
- 長時間同じ姿勢を続けない
大切なのは、一日中「良い姿勢」でいることではありません。
座り続けたら立つ。
丸まったら伸びる。
同じ姿勢が続いたら身体を動かす。
身体にとっては、このように姿勢を変えられることも大切です。
5-2.自宅でできる簡単ムーブメント
自宅では、
・骨盤を前後にゆっくり動かす
・キャットなどで背骨を動かす
・呼吸に合わせて体幹を動かす
といったシンプルな運動から始めてみましょう。
ポイントは、無理に大きく動かすことではありません。
「自分の骨盤はどこまで動くかな?」
「背骨のどこが動きやすく、どこが動きにくいかな?」
そんなふうに、自分の身体を感じながら動いてみてください。
6.骨盤を立てても疲れてしまう方へ
「姿勢を意識しているのに、すぐ元に戻ってしまう」
「骨盤を立てようとすると腰が疲れる」
「背中が丸くなるだけでなく、肩こりや腰の違和感も気になる」
そんな場合は、骨盤だけが問題なのではないかもしれません。
股関節の動き、背骨の柔軟性、呼吸、体幹の使い方など、いくつかの要素が重なっていることがあります。
そして、身体の特徴や動き方は一人ひとり違います。
Pilates Studio KIZUKIでは、姿勢だけを見て「ここを直しましょう」と考えるのではなく、なぜその姿勢になっているのか、身体全体の動きを見ながら一緒に原因を探していきます。
自分では気づかなかった身体の使い方を知ることが、変化への第一歩になることもあります。
「自分の場合は、なぜ骨盤が立ちにくいんだろう?」
そう感じている方は、ぜひ一度ご自身の身体を知るところから始めてみてください。
Pilates Studio KIZUKIでは、初めての方の体験レッスンも受け付けています。